本の中で紹介されている技術は、かわいいイラストとともに紹介され、やさしく理解できます。
「人の話は中断しなさい!」という話は、キャリアコンサルタントとしては「え!?」と一瞬思うのですが、なるほどと合点がいきます。
世の中のみんなが聴く技術を少しずつ身につけたら、ずいぶんと生きやすくなるのではないかな。いつも手元においておきたい本だなと思います。
「おわりに」にとても素敵な言葉が書いてありました。以下私なりの理解です。
相手が心を開いて話してくれることの素晴らしさもあるけど、聴いたことによる責任も生じるというお話です。
相手が心を開いてお話をしてくれること、そして自分も心を開くことで相手の方と深い信頼関係をつくることができます。一方で相手は自分を信頼して話してくれるので、聴く以上そこに責任が生じます。もしそれに耐えられないのであれば、聴かないようにするべきだと。聴くことで相手も自分も傷つくことになりかねないですから。
では、むやみに聴く姿勢を示さないほうがいいのか。私はそうは思いません。聴くことで相手を傷つけるかもしれない、自分が傷つくかもしれない。それでも勇気を持って聴くという技術を使い続ける人生でありたいと思っています。「聴く」ことは、著者の言う通り「人とつながり、相手の人生も自分の人生も豊かにすることになる」と私は信じていますから。
絶妙な「聞き方」 宇都出雅巳著
PHP文庫
2024/12/29