心はどこへ消えた?

なんだか、カウンセリングを受けた後のような、すっきりした気持ちになります。今のままでいいですよ、とそのままの自分を認めてもらえたような。

軽快な文章の中にも、心理学やカウンセリングに関する鋭い視点もあって、読み応えがありました。

「心は変化を好まない」、「そのためにお決まりの方法に固執する」、「変化とは劇薬のようなもの」だから「チビチビ舐めるのが良い」など、安心・安定の日々を送りたい私の気持ちを承認してくれ、

「社交とは、傷つけてくる他者をなんとかいなすためのもの」と言い、新しい出会いに億劫になってくる自分をなだめてくれ、

「現実は超自我よりマイルド」と言い切って、つい自分を責める私の肩を優しく抱いてくれ、

「必要なのは苦しさを自分でなんとかすることではなく、人になんとかしてもらうことだ」と苦しさを言葉にして吐き出すことの大切さを教えてくれ、

「誰かを取り締まってしまうのは、自分が心の中で取り締まられているからだ」と自分の不真面目な部分を許すことが大切だと教えてくれ、

「苦しい気持ちを感じるのが苦しいとき、私たちは周りを苦しくさせる」、「だから、私の心に彼の心を置き、それから彼に戻す」というカウンセリングのやり取りから、「心はどこにあるか?」を考えさせてくれる、など、

自分のモヤモヤを様々なケースを例にして紐解いてくれた、気持ちのよい読み物であった。

『心はどこへ消えた?』 東畑開人著 文春文庫
2025/12/21

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この記事を書いた人

・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリアコンサルティング技能士
・日本キャリア開発協会会員(CDA)

電気メーカーで技術者として働く。
コミュニケーションスキルを磨くためにカウンセラーの勉強を始めたが、その奥深さにハマり国家資格を取るまでになる。
マンツーマンのカウンセリングを得意とし、ビジネスキャリアの相談や職場の部下指導には定評がある。

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