『夜と霧(新版)』の中では、ロゴセラピーについて直接説明されていないため、『100分で名著』を並行して読むことで、理論的な理解も深まったように思いました。私は次のように理解しました。
苦悩し、自分自身のかけがえのなさと責任の重さに気づくことは、自分が「なぜ」存在するかを知ることにつながる。そして生活の中の苦しみにも耐えることができるようになる。
苦悩から逃れようとするのではなく、苦悩とともに生き、苦悩する能力を高めることで、人生を意味あるものにしていく。
フランクルの提唱する「ロゴセラピー」で3つの価値についてのべられています。
- 創造価値(自分が世界に与えるものを意識する)
自分にとっては、仕事だったり、カウンセリングだったり。 - 体験価値(世界から受け取るものを深く味わう)
自分にとっては、音楽だったり、アートだったり、読書だったり、自然を感じることだったり。 - 態度価値(避けられない苦しみに意味を与える)
自分にとっては、老いや挫折などの苦しみを感じた時の態度だったり。
自分自身の生活の中に落とし込める、わかりやすい理論だと感じる一方で、実践の厳しさも感じます。これら3つの価値を高める行動を取ることが、「自分がなぜ存在するのか」をより深く理解する道しるべになるように思います。
『夜と霧』の日本語版には旧版(1956年 霜山徳爾訳)と新版(2002年 池田香代子訳)があります。実はこれらの原書も2版あって、1947年と1977年にそれぞれ出版されていることを知りました。また原書の新版には著者フランクルの意図があったとのこと。私が手に取ったのは新版ですが、旧版にも触れてみたいと思いました。
『夜と霧(新版)』 V.E.フランクル著 池田香代子訳 みすず書房
『100分で名著 フランクル 夜と霧』 諸富祥彦著 NHK出版
2026/1/2
