10年ぶりに読み返してみると、当時引っかからなかった言葉が気になっていることに気がつきました。たくさん出てくるキーワードのうち、今回気になったものをいくつか挙げてみます。日本キャリア開発協会(JCDA)の会員となりキャリアコンサルタントとしての経験を積んできた今だからこそ気がついた観点だと思いました。
アドラー心理学は、勇気の心理学(53ページ)
自分の考え方を変えるのも、行動を起こすのも、すべて勇気を持つことが大切。とても自分に厳しい心理学だと、改めて思います。
ライフスタイル
その人が「世界」をどう見ているか。また「自分」のことをどう見ているか。これらの「意味づけのあり方」を集約させた概念(48ページ)
ライフスタイルは自ら選びとるもの(49ページ)
これは、JCDAの経験代謝理論では「自己概念」に相当する?
劣等感
健全な劣等感とは、他者との比較のなかで生まれるのではなく、「理想の自分」との比較から生まれるもの」(92ページ)
われわれを苦しめる劣等感は、「客観的事実」ではなく、「主観的な解釈」(76ページ)
劣等感は過去の「体験」を自分がどのように感じたかで決まる。つまり経験代謝理論では「経験」の定義につながる?
劣等コンプレックス
自らの劣等感をある種の言い訳に使いはじめた状態(82ページ)
優越コンプレックス。
あたかも自分が優れているかのように振る舞い、偽りの優越感に浸る(86ページ)
劣等コンプレックスや優越コンプレックスに、経験代謝理論での「自己概念の影」は現れるのかもしれません。
人生のタスク(課題)
ひとりの個人が、社会的な存在として生きていこうとするとき、直面せざるを得ない対人関係(111ページ)
対人関係を「仕事のタスク」 「交友のタスク」 「愛のタスク」の3つに分け、まとめて「人生のタスク」(111ページ)
人生の嘘
さまざまな口実を設けて人生のタスクを回避しようとする事態(120ページ)
経験代謝では「借り物の自己概念」に相当すると思います。ありたい自分を根源としない、嘘の自己概念と言えます。
対人関係のカードは、「わたし」が握っている。
原因論で「殴られたから、父との関係が悪い」と考えているかぎり、いまの私には手も足も出せない話になります。しかし、父との関係をよくしたくないから、殴られた記憶を持ちだしている」と考えれば、関係修復のカードは私が握っていることになります。わたしが「目的」を変えてしまえば、それで済む話だからです。(167ページ)
経験代謝理論での「経験の再現」、「意味の出現」を通して、新しい意味に基づいて行動する=アドラー心理学でいう「目的」を変えることは意味の実現につながっていきます。
このように、アドラー心理学もまた、JCDAの経験代謝理論と紐づけることができたのが今回読み返した収穫です。
「嫌われる勇気」 岸見一郎・古賀史健 共著
2025/8/11
