人を助けるとはどういうことか

翻訳が、恐らく原文に忠実すぎて、理解するために大きなストレスがかかる。他の金井先生の著書を読んでも、文章が固すぎて読み進めるのに苦労している。組織心理学は自分の実務経験が大きい分野なのに、欲求と痛みが狭い家に同居してしている感覚だ。

それでも、やはり気づきは多い。

「交換される社会的通貨は何か。それは愛情、思いやり、認識、受容、賞賛、そして支援である。」
『世界は贈与でできている』(近内悠太著)に感動したが、世界は交換社会だと考えた時に、このように定義できるシャイン先生の考え方にも共感する。

「社会経済は、人生という劇場を反映している。」そして、人はその場にふさわしい役割を演じている。
人は「素」で社会生活を営んでいない。役割を演じている。だとするならば、その場に応じて適切に「役割」を選択できる力は大切だよなぁと改めて思う。

「支援を求めた場合、人は『一段低い位置』(ワン・ダウン)に身を置く」、そして支援を求められた場合はワン・アップとなる。
支援を申し出る場合に、自分も含めて多くの人は無意識に公平な立場であろうと気遣っていると思う。でも「意識して」支援できるようになった方がいい。

支援を求められた人は、「専門家の役割」、「医師の役割」、そして「プロセス・コンサルタントの役割」の3つから選択でき、プロセス・コンサルタントの役割から支援を始めるべきである。
キャリア・カウンセリング理論は、「プロセス・コンサルタント」の中身を議論しているように思う。医師や専門家ではいけないと。こういう視点もあるのかという気づきがありました。

特に、シャイン先生の自論であるプロセス・コンサルタントの考え方は、キャリア・カウンセリングの理論を別の立場で眺められたようで印象的だった。

『人を助けるとはどういうことか』 エドガー・H・シャイン著、金井真弓訳、金井壽宏監訳 英治出版

2026/1/10

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この記事を書いた人

・キャリアコンサルタント(国家資格)
・2級キャリアコンサルティング技能士
・日本キャリア開発協会会員(CDA)

電気メーカーで技術者として働く。
コミュニケーションスキルを磨くためにカウンセラーの勉強を始めたが、その奥深さにハマり国家資格を取るまでになる。
マンツーマンのカウンセリングを得意とし、ビジネスキャリアの相談や職場の部下指導には定評がある。

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