著者が障害者と接した多くの経験。そこから丁寧に語られる言葉は、時代を超えて自分の中のモヤモヤに目を向けさせてくれる。
優しく穏やかに自己と対話する時間を大切にしたい。同じくらいに社会の中で生きていることを忘れないでいたい。そして私が働けなくなり自力で歩けなくなったとき、自分の「ありかた」を言葉にして持っていたい。
著者は「おわりに」で次のように述べている。
『人は生きがいを「何かすること」に求めて探しまわる。しかし何かをする以前に、まず人間としての生を感謝とよろこびのうちに謙虚にうけとめる「存在のしかた」、つまり「ありかた」がたいせつに思える。』
ハウツー本ではないので、明日からやるべきことが明確になったわけではないが、自分が社会の中に生きて、さらに地球の生態系に組み込まれていていることを感じることができた本だった。
『人間をみつめて』 神谷美恵子著 河出書房新社
2025/11/22
