自分の強みを生かして成果をあげるためには、集中することが重要です。
でも与えられた時間は24時間、365日。
限られた時間を有効に利用するためには優先順位をつけなければなりません。
ドラッカーは仕事の優先順位を決める際に守るべき原則を4つあげています。
1.過去ではなく、未来を選ぶ
2.問題ではなく、機会に注目する
3.横並びではなく、独自性をもつ
4.無難ではなく、変革を選ぶ
それぞれの原則を見ていきましょう。
1.過去ではなく、未来を選ぶ
過去を振り返り、そこから反省や教訓を得ることもそれなりに意味のあることです。
でも、それは未来のための行動につながっていますか?
私たちの持っている強みは、「未来をつくるため」に使わなければなりません。
誰かの強みを「失敗の尻ぬぐいに使うこと」など決してあってはなりません。
2.問題ではなく、機会に注目する
問題は過去に起き、機会は未来をつくります。
未来の成果のタネは機会の中にあります。
成果のタネを育てる間には、危険、困難、不確実なことがたくさん待っています。
乗り越えるためには、もっている強みを集中して事にあたらなければ、機会を成果に変えることはできません。
過去に起こった問題にばかり時間を費やしていると、せっかくの機会を逃してしまいます。
3.横並びではなく、独自性をもつ
みんなと同じって何となく安心しますよね。
でも、自分の強みを生かそうとするなら、自分に合った方法で仕事をしなければなりません。
自分にとっては呼吸をするように当たり前にしていることなのに、他の人は大変そうにやっていることありませんか?
他の人には難しいけど、自分には簡単にできること…そこにはあなたにしかできない役割があります。
4.無難ではなく、変革を選ぶ
目標を立てるとき、最初から達成できそうな目標を立てていませんか?
小さな挑戦からは、小さな成果しか生まれません。
大きな失敗はしないかもしれませんが、仕事のモチベーションはやがて低くなっていくことでしょう。
大きな挑戦をすることは、まだ気づいていないあなたの可能性を知る機会にもなるのです。
優先順位を決定するとき必要なのは「勇気」です。
そして、優先順位の低い仕事には取り組まないと決めるのも「勇気」です。
取り組まない仕事を決める事って、実はとっても難しい。
なぜなら、「取り組まないと決めた仕事」は誰かにとっては「優先順位の高い仕事」かもしれないからです。
誰かの顔色を見ながら優先順位を決めるのか?
それとも自分で判断して決めるのか?
優先順位を決める勇気こそが、あなたの強みを最大限に生かすために必要なのです。
『経営者の条件』
P.F.ドラッカー著
第5章*最も重要なことに集中せよ
P.147-152